コーヒー屋の始め方 コーヒー店の作り方

10年前
楽園珈琲はこのカリタの手挽きミル1個から始まった

その頃、クローン病という難病を発症したばかりで
酒タバコ、揚げ物、肉類、刺激物、さまざまな食事制限が課せられ、その中にコーヒーも含まれていて
とても暗い気持ちでいた時に自家焙煎のコーヒーを頂き飲んでみると、身体に変調は現れなかった
試しにファストフードのコーヒーを飲むとお腹が痛くなる
スーパーのコーヒーもレストランのコーヒーも同じ、例え自家焙煎と銘打ってあっても焙煎後2〜3ヶ月経過したものだと同じ
要は新鮮なコーヒーだと調子悪くならない事が分かった
嗜好品全てに封印されてたまるものか!とコーヒーだけは死守したかった事が自家焙煎のスタート地点

当時仲間とやっていた石窯ピザ屋で出すためと自分のために焼いていたコーヒーを、お金を出して初めて買ってくれたのが蚊口浜のサーファーのあきちゃん
楽園珈琲の始まり
つまり僕の場合、病気と人との出会いがコーヒー屋の始まり

その時に僕らの手元にあったのが画像のミル(2000円程度)
サーファー仲間を通じて少しずつ注文が入り、粉にする時にはこのミルで1キロ2キロ挽いていた・・・
当時いろんな理由で全くお金が無く(職も無く)、安い電動ミル一つ買うお金さえも節約しなければならない状況だった
本当に明日のご飯どうする?って日本昔話のような時代でした
それでも美味しいとコーヒーを買ってくれる仲間達のおかげで少しずつ売上を貯めて、初めてカリタの電動ミルを買った時の感動は忘れない
あれから10年
身の丈で少しずつ揃えていくというスタンスは今も変わらない

コーヒー店の作り方もいろいろで
僕らのように2000円のミル一つで店舗も無い状態で始め、屋台(仮設営業)、移動販売、実店舗と一つ一つ段階を踏む亀もいるかと思うと
初めから大借金して立派な店構えと立派な焙煎機と何百万円もするエスプレッソマシンを揃えて、雑誌BRUTUSに掲載されているかのような店を作るウサギの様な人も多い
どっちが良いかは分からないけど、提供するコーヒーの価格は300〜500円で変わらないはず
じゃあ1日何杯売れば暮らせるのかは算数ができれば分かるはずです
借金も財産って良く聞きます
僕は全くそうは思いません
借金は人の金です
返さなければいけない人の金です

人それぞれいろんな考え方があるので、自分の思うようにやれば良いんだけど
何か始める前は不安で、いろんな人に聞いたり調べたりするはず

一つだけ僕からアドバイスしたいのは、
『あなたが考えるほどお客様はあなたの店を見てないし覚えてない』
という事
どんなに素敵な外装・内装・調度品・什器を揃えて、どんなに高級なマシンや焙煎機を置いても、全ては自己満足でしか無く
お客様は写真撮ってインスタにアップしたら全て忘れている
そう考えた方が良いですね

そしてただ一つ記憶に残るのは、あなたが出したコーヒーの味だけ
結局、味覚の記憶だけは残るんです

3年で8割は姿を消すという飲食店
コーヒー屋も同じ
考え方は人それぞれ
正解は無い
失敗したってそれは経験として残る
ウチも今年終わるまで立ち続けられるかは分からない

最後に

昔、猫を飼ってました
その猫を初めて車に乗せて走り出した時、スピードが上がるにつれ、窓から外を見ていた猫は怯えだしました
おそらく流れる景色が、自分が全速力で走るスピードよりずっと速かったのが恐ろしかったんでしょう
自分の能力=身の丈
身の丈を超える事の怖さを教えられたのでした

rakuencoffee

天草市五和町城河原1丁目99-1 OPEN 12:00〜17:00 定休日 毎週火曜日、水曜日

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