カキ氷 本当の気持ち
今年(今月)で楽園氷は終わり
来年はやらない(予定)
ありがたいことにお客様から『なんで?』のご質問を頂くことが多いので
本当の気持ちを書きたいと思います
カキ氷への思いは50年以上前に遡ります
数少ない母の記憶で、最も古い記憶がカキ氷でした
記憶に妹がいなかったので、当時私は4歳以下だったのでしょう
夏の日中、母と歩いて出かけた帰りに、当時住んでいた家の近くに甘味処みたいなところがあったのか、そこに入って母はカキ氷を頼みました
それを2人で食べた記憶
記憶の中では白くぼんやりとした風景の中に青いカキ氷があります
それが私と母との記憶の1番古い(昔の)思い出
そしてなんといってもカキ氷といえば原田泉さん♪
今の日本のカキ氷ブームの火付け役とも言える第一人者です
原田さんと出会い、コーヒーのカキ氷をぜひ作って!との約束を果たすため、試行錯誤が始まりました
原田さんからお借りした最高級マシンに恥じないカキ氷を作ろう!
そうして完成したのが今の『エスプレッソ』です
原田さんが居なければ今の楽園氷はあり得ません!
もう感謝してもしても足りないくらい感謝です
抽出したエスプレッソをなんらかの方法で冷やして保管してシロップにする、となるともはやエスプレッソでは無くなるんです
クレマが無くなる
それはもうエスプレッソでは無い
そこで
ダブルのエスプレッソを抽出して直ちにシェイカーで急冷し(シェケラート)氷にかける
エスプレッソもなんでもいいわけでは無く、楽園珈琲の看板であるエスプレッソのみを使用
エスプレッソ屋にしかできないカキ氷
お腹の弱い2人が頑張って作り上げた、原田さんとの約束の一品でした
なのでめちゃくちゃ手間と時間がかかるわけです
エスプレッソをご注文の後は、店内でそんなバタバタが展開されてます笑
本来ならこの1つ(エスプレッソ)だけで勝負したら良かったのですが、心優しい妻は(いつものお客様が子供連れで来たら、子供の食べれるカキ氷が無いと!)とストロベリーや抹茶小豆、マンゴーやブドウといったものも考えました
もちろん自分達が納得できないものは出せないので、シロップは手作り、アンコも煮て・・・
当たり前ですがそれは大変な労力と手間でした
今の世の中のカキ氷の価格が1000円オーバーなのは、それだけの値段を付けないと全く採算合わないからです
使ってるものが多く高すぎる
私たちのカキ氷も同じですが、自分の中でカキ氷に1000円はあり得ないんです
最初に書いた母との記憶
当時の価値観で今の1000円クラスの価格だったら、多分母は私とカキ氷食べてない気がします
その血を引く自分がそうだから
歩いて買い物に行った帰りに、ちょっとカキ氷でも食べたいなって思って買えるギリギリの価格
それが今の楽園氷の値段設定でした
せっかくだから、小さなお子様が過去の私と同じ様な記憶を残してくれたら嬉しいな、と
なるべく気軽に買える価格設定
そうじゃないとカキ氷の意味がない
まぁそんな変な思い込みもストレスの原因ですね
平成30年にカキ氷を始めて今年で6年目
全国誌にも載り、どうなるのかな?って思ってたけど天草という日本の西の果ての島
雑誌を見た全国の人が簡単に立ち寄ることができる場所では無い
それでも少しずつ長い時間かけて知ってもらい
夏のお盆シーズンは結構なお客様に立ち寄って頂く様になりました
ありがたい反面
夫婦2人でやっている零細個人店なので、オペレーションにも限界があります
テイクアウトのみというスタイルなのでお客様は外の炎天下でお待ちになっている
申し訳ない!とにかく早くご提供したい!
その気持ちで常にいっぱいいっぱい
カキ氷のオーダーの合間には当然コーヒーやシェイク、コーヒー豆の持ち帰りのオーダー等も入るわけで
状況によってはお断りしなければいけないお客様も出てくる始末・・・
実は去年からやめようかと考えてました
2人のキャパをもう超えてるでしょうと
そしてカキ氷のためにコーヒーのお客様を断るなんて本末転倒じゃないのか?
いつも自分はコーヒー屋って言ってるくせに
しかし夏場にカキ氷が無いと売上がどうなるか・・・
全ては天秤・・・
そんなジレンマの中で今年のシーズンが始まりました
やはり始まるといろんなトラブルが起こります
普段来ない、店の状況(夫婦2人でやってる店)を知らないお客様がどんどん来るわけです
そしてある日(もうこれ以上続けることはできないな)という事が起こりました
お客様やカキ氷が悪いのでは無く、私たちのチカラがもう限界だったんです
分かっててもやり続けた自分達がいけない
そうして決めました
もうやめよう
本当の理由はそんな感じです
・採算が合わない
・コーヒーのお客様に迷惑をかける
というのが表面的な理由ですが、本音は2人でやれる限界を超えてしまった、という事です
情け無いですが、事実です
楽園氷は終わりますが
また来年、何か違うカタチでカキ氷を出すことはあるかもです
まだ分かりませんが笑
とにかく残りの氷を全力で削りたいと思います♪
長々と書いてしまいました
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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