母の言葉 父の言葉
『秀樹の焼いてくれたパンは美味しかね』
僕が7歳か8歳の頃
昔の正面がパカッと開く引き出し式のトースター
それが面白くて、自ら進んで食パンを焼いていたんだと思うんだけど
朝忙しい母が息子にパンを焼かせるための作戦だったのかもしれない
なぜかその時の光景と母の顔と言葉だけが記憶に残っている
数年後に母は亡くなるわけだが
平和な幸せな時代の朝の光景だった
トーストとコーヒーは今も平和な朝の象徴
僕の朝になくてはならないもの
『たった1人の妹やろが』
10歳くらいだろうか
妹を叩いて泣かしてしまった時に父に言われた言葉
なぜか心に突き刺さり、情けない恥ずかしい気持ちになり、それ以来妹を叩いた事はない(と思う)
さらには女性に手をあげることがどんなに恥ずかしい事かも教えられた気がする
育児にはほぼ無関心の父から言われた記憶にある数少ない言葉だ
日常の何気ない言葉が
その子の一生の記憶になることもある
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