NOZY COFFEEの倒産で思うこと
2019年12月、東京三宿にある「NOZY COFFEE」が閉店した
2010年にオープンして以来、国内のサードウェーブの雄として「シングルオリジン」という言葉を日本に定着させたお店ではなかろうか
2010年といえば楽園珈琲がスタートした年でもあり、当然ながら「NOZY COFFEE」のことはwebや雑誌で散々調べて参考にさせていただいた
メディアでの露出も多く、当然順風満帆の経営だと思っていたんだけど・・・
正直このニュースを知った時は驚いた
とここまで書いても、コーヒー業界関連以外の人にとって「NOZY COFFEE」って何?と思う人がほとんどでしょう・・・
能城さんという慶応大出身の方が大学在籍時から大好きなコーヒーのお店を出して、2010年当時は23歳?という若さで「NOZY COFFEE」を立ち上げたんです
何がいけなかったんだろうか?
経営のことについての知識は全くないので想像するに難いが
能城さんはきっと純粋に美味しいコーヒーに心打たれて、心底それを追求したかったのではないだろうか
そのスタイルと方針は東京では広く受け入れられて一大ムーブメントになった
地元木更津に展開したのも、自分がおいしいと感じるコーヒーを地方に広めたい一心ではなかったのかなぁと思う
木更津で失敗したのは、そこが東京じゃなかったから・・・
その一言に尽きるのではないかなぁ
地方でのコーヒーのポジションはこの50年間何も変わってないと感じます
「コーヒーブーム」と言われてるけど、正直「それって東京だけだよね」って思ってます
おそらく「東京」か「東京以外」か2つのカテゴリー分けで大丈夫
結局のところ世間の人々にとってのコーヒーとは
「なんとか農園」の「パルプドナチュラル製法」の「標高1000m」のとか
そういう情報は何一つ興味も必要もなく
「ブラジル」「モカ」「ブレンド」
くらいで必要十分な情報ということなんです
あとは美味しければそれでいい
さらにはアメリカや北欧を真似た浅煎りのコーヒー・・・
「酸っぱくないやつ」「酸味が嫌い」というワードはお客様から散々聞かされてます・・・
味噌と醤油で育ち、「うま味」を嗅ぎ分ける舌と鼻を持つ日本人には合わない味だと思います
日本におけるコーヒーってその辺ですね
付加価値としてテレビでよく言う「抗酸化作用」や「抗ガン効果」「ボケ防止」など
そんなこともあるけど、テレビ観て3日後にはみんな忘れてるだろうし(笑)
結局、コーヒーだけ売るコーヒー屋は地方では(田舎であればあるほど)成り立たない
夢と理想じゃ食っていけない
そんなことを痛切に感じさせられたニュースでした
ならばコーヒー屋としてこれから生き残っていくためにはどうしたらいいのか?
毎日のように考えていることです
美味しいコーヒーは当たり前のこと
結局のところ「人」なんだろうなぁ
「マスター」であったり「ママ」であったり
「人」に会いに「人」は来る
ということは、小さな家族経営の喫茶店こそが最強のコーヒー屋なんじゃなかろうか
ここ2~3年で強くそう思うようになってきました
「NOZY COFFEE」は無くなるけど能城さんはきっとまた違う形でコーヒー屋になるんだろうなと思う今日この頃です
明日は我が身
0コメント